“芦川 下士官と兵曹はでかい食堂で一緒に食事を取っていますが、下士官でもトップクラスの上級曹長だけが集まる部屋があるんです。それをCPOメスと呼んでます。メスというのは雑居部屋的な意味があって、海軍では食堂の意味になります。
CPOは、チーフ・ペティ・オフィサー、つまり下士官のリーダーですね。ここには強面のオッサンばかりが集っていて、全体的に静かです。
ちなみにCPOメスと一般の兵曹が使うメスデッキでは、同じ料理が提供されています。CPOメスのほうが米国のダイナーっぽい雰囲気なのに対して、一般のメスデッキはハンバーガーショップ的な感じでワイワイガヤガヤしてましたね。人数もそちらのほうが断然多くて、一度に500人くらいが食事できます。
それから急いで食事をしなければならない連中は、「スピード」という特設コーナーで食べてます。
運営者 これは吉野家ですな。それで、どうしてそういう差をつけるんですかね。
芦川 やはり階級や立場に応じた扱いが大事とされているからでしょう。若い水兵はとりあえず楽しく食事できればいいけれど、CPOになると互いの職場間での情報交換も重要です。
実質的に現場を仕切っているのはこのCPOたちですからね。その頑張りや士気の高さに対して、待遇を良くして報いるというのもあると思います。ちょっとした特権意識なわけですけど、下っ端の連中から見れば「頑張ればオレもああいうふうになれるんだ」と思わせることができるし、これは結構な励みになります。
運営者 うーむ。
芦川 これが士官となると、海軍伝統の待遇の良さが光ります。大昔なんて士官こそまともな乗員で、それ以外の水兵は酒場で拉致してきて働かせたなんていいますからね。アタマを使うのが仕事の士官は、そのための心身ともに良いコンディションである必要があって、そのための好待遇という言い方もできるでしょう。
水兵たちから見れば、部門長の少佐や中佐は、上のまた上という偉大な存在です。特に海軍は、待遇の差は天地ほどの差があります。”
Notes
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